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養子や連れ子の法定相続分は?実子との違いと相続させる方法を行政書士が解説

2026 7/03
法定相続人・相続分
2026年7月1日2026年7月3日
この記事を監修した専門家
行政書士寺岡孝幸の顔写真
行政書士 寺岡孝幸

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

相続が発生した際、亡くなった方に養子や再婚相手の連れ子がいると、
誰がどれだけ遺産を相続できるのか、つまり法定相続分がどうなるのかは、
一般の方には非常にわかりにくく、親族間の相続トラブルの火種になりがちです。

「血のつながりがない養子は、実子よりも法定相続分が少なくなるのでは?」
「本当の子どものように一緒に暮らしてきた連れ子に、そもそも相続権はあるのか?」

このような疑問を持たれる方は少なくありません。

結論からお伝えすると、民法上は、養子縁組をしているかどうかによって、
相続権の有無と、法定相続分の取り扱いが大きく変わります。

そこでこの記事では、養子や連れ子の法定相続分に関する正しい知識と、
実子との違い、さらに、連れ子に遺産をのこすための具体的な法的な方法まで、
相続専門の行政書士がわかりやすく徹底解説します。

目次

養子と実子の法定相続分に違いはあるか?

まずは、法的に養子縁組を成立させている養子と、血のつながった実子との間で、
遺産の取り分である法定相続分に、違いがあるのかを見ていきましょう。

養子縁組の種類 実親からの相続権 養親からの相続権
普通養子縁組 ある
(両方から相続OK)
ある
特別養子縁組 ない
(実親との親族関係終了)
ある
(養親からのみOK)

結論:養子と実子の法定相続分は「まったく同じ」

民法上、養子縁組が成立した日から、
養子は、養親の嫡出子(ちゃくしゅつし)としての身分を取得します(民法809条)。

したがって、養子と実子の法定相続分は、
養親の相続において「まったく同じ割合」になります。

血のつながりがないからといって、養子の法定相続分が半分に減らされたり、
不利に扱われたりすることは、法律上一切ありません。

「普通養子」と「特別養子」の相続権の決定的な違い

普通養子の相続権(実親・養親の両方から相続可能)
普通養子は、実親と養親の両方から財産を相続する権利があります。
特別養子の相続権(養親からのみ相続可能)
特別養子は実親との法的な親族関係が終了するため、養親からのみ相続します。

養子縁組には、「普通養子縁組」と「特別養子縁組」の2種類があり、
生みの親である実親からの相続権について、大きな違いがあります。

  • 普通養子縁組の場合
    養親との親子関係が作られますが、実親との親子関係もそのまま継続します。
    つまり、普通養子は、「養親」と「実親」の【両方】から、遺産を相続する権利を持ちます。(※一般的な養子縁組の多くはこちらです)
  • 特別養子縁組の場合
    子供の福祉を目的とした制度であり、家庭裁判所の審判によって成立します。
    特別養子縁組が成立すると、実親との法的な親族関係は完全に終了します。
    したがって、養親からの相続権はありますが、実親からの相続権は失われます。

養子は何人まで法定相続人に含められる?民法と税法の違い

「養子は何人まで相続人になれるの?」という質問をよくいただきますが、
ここでは、民法と相続税法のルールの違いを、正確に理解しておく必要があります。

  • 民法(遺産分割の割合)上のルール:人数制限なし
    養子が3人でも5人でも、全員が法定相続人となり、実子と同じ割合で遺産を分け合います。
  • 相続税法(基礎控除の計算)上のルール:人数制限あり
    相続税の計算における基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)の計算に含めることができる養子の数には、不当な税金逃れを防ぐための制限があります。
    ・被相続人に実子がいる場合:養子は「1人」まで
    ・被相続人に実子がいない場合:養子は「2人」まで

これらの人数制限は、国税庁の相続税タックスアンサー
「相続人の中に養子がいるとき(No.4170)」でも同様に説明されています。

つまり、誰がどれだけもらうのかという遺産分割においては、
養子の人数に制限はありませんが、相続税の非課税枠(基礎控除額)の計算では、
養子の人数に制限がかかる点に注意が必要です。

連れ子の法定相続分と相続権

次に、親が再婚し、相手に連れ子がいた場合、または、
自分に連れ子がいて再婚した場合のそれぞれの相続権について解説いたします。

再婚相手の連れ子は「そのままでは相続権がない」

再婚相手の連れ子には法定相続権がないことを示す相関図
長年同居していても、養子縁組をしていない限り連れ子に相続権は一切ありません。

これが最も誤解されやすいポイントですが、
長年、実の親子のように一つ屋根の下で暮らしていたとしても、
養子縁組の手続きを行っていない限り、再婚相手の連れ子には、相続権はありません。

親同士が婚姻届けを提出して結婚して夫婦になっても、
連れ子と再婚相手との間に、自動的に法的な親子関係が生じるわけではないからです。

連れ子に遺産をのこすための2つの法的解決策

もし、血の繋がりがない連れ子に対して、自分の財産をのこしてあげたい場合は、
生前に、次のいずれかの対策を確実に行っておく必要があります。

  1. 連れ子と「養子縁組」をする
    市区町村役場に養子縁組届を提出し、法的な親子関係を結びます。
    これにより、連れ子は、実子と全く同じ法定相続分を得ることができます。
  2. 連れ子に遺産を「遺贈」する旨の遺言書を作成する
    養子縁組をしない場合でも、「連れ子である〇〇に、〇〇の財産を遺贈する」という内容の遺言書(公正証書遺言を推奨)をのこしておけば、財産を確実に引き継がせることが可能です。ただし、相続人ではないため、相続税がかかる場合は、相続税が2割加算になる点には注意が必要です。

養子や連れ子がいる場合の具体的な相続分計算パターン

それでは、具体的に法定相続分がどのようになるのか、ケース別に計算してみましょう。

ケース①:実子1人・養子1人の場合

被相続人が亡くなり、相続人が、配偶者、実子1人、養子1人のケースです。

配偶者、実子、養子が全員法定相続人になる場合の図
実子と養子は法律上まったく対等であり、同じ割合で遺産を相続します。
  • 配偶者の法定相続分:1/2
  • 実子の法定相続分:1/4
  • 養子の法定相続分:1/4

実子と養子は対等であるため、残りの1/2を2人で等分(1/4ずつ)します。

ケース②:再婚相手の連れ子と実子がいる場合

相続人が、配偶者(再婚相手)、配偶者の連れ子1人(養子縁組していない)、
実子1人のケースです。

再婚相手の連れ子(養子縁組なし)と実子がいる場合の法定相続人の違い
連れ子は相続人になれないため、配偶者と実子の2人のみで遺産を分け合うことになります。
  • 配偶者の法定相続分:1/2
  • 実子の法定相続分:1/2
  • 連れ子の法定相続分:なし(0)

養子縁組をしていない連れ子には相続権がないため、
配偶者と実子のみで遺産を分け合います。

戸籍収集が複雑に!養子・連れ子の相続で注意すべき点

亡くなった方の銀行の預金解約や、法務局での不動産の相続登記(名義変更)を行う際、
法定相続人を確定させるために、
亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの連続したすべての戸籍謄本等が必要です。

亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍の画像
銀行や不動産などの相続手続きには亡くなった方の出生から死亡までの戸籍等が必要

養子や連れ子が絡む場合、この戸籍収集と相続人の調査確定作業は、
一般の方には、非常に負担が大きくなりがちです。

養子縁組の前後の戸籍をすべて集める必要がある

親族関係に養子や連れ子が絡む場合、戸籍の収集作業は、手間も難易度も大きく上がります。

戸籍をたどり、養子縁組がいつ行われたのか、離縁されていないか、
さらには被相続人の戸籍だけでなく、養子本人の戸籍も確認しながら、
「1人の漏れもなく法定相続人を証明するための公的な書類」を、
すべて揃えなければなりません。

明治時代や大正時代の除籍謄本や改製原戸籍を読み解きながら、
過去の古い戸籍を収集する作業は、一般の方には想像以上の労力と時間がかかります。

戸籍収集や相続手続きの相談や代行依頼はどうすればいい?

「養子や連れ子がいて、相続人になるのかどうかがわからない」
「平日に何度も役所へ行って、複雑な戸籍を集める時間がない」
「銀行や不動産の相続手続きを、すべて自分でする自信がない」

このようにお悩みの方は、一人で抱え込まず、
相続手続きの専門である当所にご相談ください。

当所では、開業以来20年間にわたり、全国のご相続人様から、
相続手続きや戸籍収集の代行を承ってまいりました。

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お送りする委任状などにご署名とご捺印をしていただくだけで、
相続に必要な戸籍収集作業や、各相続手続き作業から解放されます。

まずは、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定のみを代行依頼したいという方には、
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養子や連れ子が絡む複雑な戸籍収集や、必要に応じた遺産分割協議書の作成など、
あなたの状況に合わせて、必要な手続きを一つずつ丁寧に進めていきます。

なお、当所では、メール又はお電話による相続無料相談も行っておりますので、
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