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【図解】第一順位の相続人は誰?法定相続人の範囲と相続割合を行政書士が解説

2026 7/24
法定相続人・相続分
2026年7月24日
この記事を監修した専門家
行政書士寺岡孝幸の顔写真
行政書士 寺岡孝幸

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

「相続人の第一順位って、具体的に誰のこと?」
「亡くなった人の子供は、どんな時でも第一順位になるの?」
「もし子供がすでに亡くなっていたら、孫やひ孫はどうなる?」
「第一順位の相続人は、遺産をどのくらいの割合でもらえるの?」

いざ相続が発生したとき、誰が「第一順位の相続人」にあたるのか、
よくわからないという方も多いのではないでしょうか?

しかし、第一順位の相続人が誰なのかの判断を、一人でも間違えてしまうと、
遺産分割協議のやり直しや、銀行預金などの相続手続きがストップしてしまうなど、
後から困ることになってしまいます。

そこでこの記事では、第一順位の相続人について、図解を交えて、
相続専門の行政書士が、わかりやすく解説いたします。

この記事をお読みいただければ、ご自身のケースにおいて、
第一順位の相続人は誰になるのか、法定相続分はいくらなのかが、
迷うことなく正確にわかるようになります。

目次

第一順位の相続人は誰?(法定相続人の範囲)

結論から申し上げますと、第一順位の相続人は「被相続人(亡くなった方)の子」です。

しかし、単に「子」と言っても、実子だけでなく、養子や胎児も含まれます。

また、その子がすでに亡くなっている場合などは、
孫が代わりに相続することになります。

つまり、第一順位の相続人は、具体的に、
以下の4つのパターンのいずれかに該当する人となります。
(※民法第887条の規定に基づく)

  • 被相続人の実子(嫡出子・非嫡出子)
  • 被相続人の養子
  • 被相続人の胎児
  • 被相続人の子の代襲者(孫やひ孫などの直系卑属)

ご自身の状況がどれに当てはまるかわかるように、
1つ1つ図解を交えて詳しくご説明していきます。

被相続人の実子

実子には、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた嫡出子(ちゃくしゅつし)と、
婚姻関係にない男女の間に生まれた非嫡出子(ひちゃくしゅつし)の2種類が存在し、
被相続人の実子であれば、どちらも第一順位の相続人になります。

第一順位の相続人となる被相続人の実子(嫡出子)の図解
法律上の夫婦の間に生まれた実子(嫡出子)は第一順位の相続人
第一順位の相続人となる婚姻関係にない男女の間に生まれた非嫡出子の図解
婚姻関係にない男女間に生まれた子(非嫡出子)も同等に第一順位

上図のように、嫡出子でも非嫡出子でも、
被相続人の血を引く子であることに変わりはないため、
どちらも同等に第一順位の相続人となります。

年齢は関係なく、未成年者であっても第一順位の相続人です。

【※父親の相続における重要注意点】
非嫡出子の場合、母親の相続では当然に相続人となりますが、
父親の相続においては、「認知」されていることが条件となります。
生前に認知されて戸籍に記載されているか、あるいは遺言による認知が必要です。

父親の相続において非嫡出子が第一順位の相続人になるための認知の条件を図解
父親の相続では、非嫡出子は「認知」されていることが相続権の条件です。

被相続人の養子

戸籍上、正式に養子縁組をしていれば、養子は実子と全く同じ扱いとなり、
第一順位の相続人になります(民法第809条)。

ただし、「普通養子」か「特別養子」かで、実の親側の相続権に大きな違いが出ます。

普通養子の場合:
養親(育ての親)の相続で第一順位の相続人になるのはもちろん、
実父母との血縁関係も法的に続くため、
実父母の相続においても第一順位の相続人になります。(つまり両方の相続権を持つ)

普通養子縁組をした養子が実父母と養父母の両方で第一順位の相続人になる図解
普通養子は「養父母」と「実父母」の双方で第一順位の相続人となる。

特別養子の場合:
家庭裁判所の審判によって成立する特別養子縁組では、
実父母との法的な親族関係が、完全に断ち切られます。

特別養子縁組をした養子が実父母の相続人にはなれない図解
特別養子は実父母との法的関係が切れ、実父母の相続人にはなれません。

そのため、養父母の相続では第一順位となりますが、
実父母の相続では相続人になることができません。

被相続人の胎児

お腹の中にいる胎児は、まだ生まれていませんが、
相続においては「既に生まれたもの」とみなされ、
死産でなく無事に生まれれば、第一順位の相続人として扱われます(民法886条)。

第一順位の相続人とみなされる胎児がいる夫婦のイラスト
お腹の中の胎児も、無事に生まれれば、第一順位の相続人として扱われる。

このため、胎児がいる段階では、無事に生まれるまで、
最終的に相続人が誰になるのかを確定することができず、
遺産分割協議などの手続きを進めることができません。

子が亡くなっている場合は孫へ(代襲相続)

第一順位である被相続人の子が、被相続人よりも先に亡くなっていたり、
相続欠格や廃除によって相続権を失っている場合、
その子(被相続人から見た孫)が代わりに相続人となります。

第一順位の相続人である子が亡くなっている場合に孫が代襲相続する図解
子が亡くなっている場合は、被相続人の孫が代襲して第一順位の相続人となる。

このように、代わりに相続することを代襲相続(だいしゅうそうぞく)と呼び、
代わりに相続する孫のことを代襲者(代襲相続人)と呼びます。

代襲相続は、被相続人の直系卑属(子、孫、ひ孫…と続く下の世代)に対しては、
無限に認められています。

もし、孫も亡くなっていれば、さらに下の「ひ孫」が再代襲相続人となります。

なお、代襲相続とは何か、孫や甥姪が相続人になるケースについては、
「代襲相続とは?孫や甥姪が相続人になるケースと再代襲を行政書士が解説」で、
くわしく解説しています。

【要注意】第一順位の相続人に関するよくある勘違い

原則として、被相続人の子は第一順位の相続人ですが、
以下のケースでは、第一順位の相続人にはなれません(相続権がありません)。
ご自身や親族が当てはまらないか、必ず確認してください。

①配偶者の連れ子や、子の配偶者(嫁・婿)

被相続人の配偶者の連れ子は、一緒に暮らしていても、
被相続人と直接の血縁関係はありません。

配偶者の連れ子には直接の血縁関係がなく相続権がないことの図解
配偶者の連れ子は、養子縁組をしない限り、第一順位の相続人にはなれない。

そのため、戸籍上で養子縁組をしない限り、相続権は一切ありません。

なお、連れ子に相続させる方法や実子との違いについては、
「養子や連れ子の法定相続分は?実子との違いと相続させる方法を行政書士が解説」で、
くわしく解説しています。

同様に、亡くなった方の子の配偶者(長男の妻など)も、
被相続人の義理の子にあたるため血縁関係がなく、
どんなに献身的に介護をしていたとしても、
第一順位の相続人にはなれず、原則として相続権もありません。

子の配偶者(嫁や婿)には血縁関係がなく相続権がないことの図解
献身的な介護をしていても、子の配偶者には、原則として相続権はない。

②相続放棄をした子、相続欠格・廃除された子

実の子であっても、以下のケースでは相続権を失います。

  • 相続放棄: 子が自らの意思で、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行った場合、
    初めから相続人でなかったことになり、代襲相続も発生しません。
  • 相続欠格: 被相続人を殺害しようとしたり、遺言書を偽造したりして、
    法律上強制的に相続権を奪われた場合。
  • 相続人の廃除: 被相続人への著しい虐待などがあり、被相続人の意思で、
    家庭裁判所を通じて相続権を剥奪された場合。

第一順位の相続人の相続割合(法定相続分)は?

第一順位の相続人が、遺産をどれくらい受け取れるのかは、
被相続人に配偶者(夫や妻)がいるかどうかで大きく変わります。

配偶者がいる場合

被相続人に配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となります。
この場合の相続割合は以下の通りです。

  • 配偶者:2分の1
  • 子(第一順位の相続人):2分の1
配偶者がいる場合の第一順位の相続人(子)の法定相続分が2分の1であることの図解
配偶者がいる場合、第一順位の相続人(子)の法定相続分は全体の2分の1。

子が複数いる場合は、この「2分の1」をさらに人数で均等に分けます。
例えば、配偶者と子2人(長男・長女)がいる場合、
配偶者が1/2、長男が1/4、長女が1/4となります。

配偶者がいない(既に他界・離婚している)場合

被相続人に配偶者がいない場合、第一順位である子が、
遺産の全て(100%)を相続します。
子が複数いる場合は、全員で均等に分け合います。

配偶者がいない場合に第一順位の相続人(子)が遺産の全てを相続することの図解
配偶者がいない場合、第一順位の相続人(子)が遺産を100%相続する。

第一順位の相続人が「誰もいない」場合はどうなる?

第一順位の相続人(子や孫)が初めから一人もいない場合や、
第一順位の全員が家庭裁判所で相続放棄をして相続権を失った場合、
相続権は、次の順位へスライドします。

具体的には、被相続人の父母や祖父母などの第二順位の相続人(直系尊属)に相続権が移ります。
さらに第二順位の相続人も全員亡くなっている場合は、
被相続人の兄弟姉妹などの第三順位の相続人へと相続権が移ることになります。

なお、第二順位の相続人と第三順位の相続人については、
「第二順位の相続人」と「第三順位の相続人」で、
それぞれくわしく解説しています。

相続人の範囲と順位の全体については、
「法定相続人の範囲と順位をわかりやすく解説!」をご参照ください。

第一順位の相続人である事を相続手続き先で証明するには?

亡くなった方の銀行預金の解約や不動産の名義変更を行う際、窓口で、
「私が第一順位の相続人です」と口頭で説明しても、手続きは一切進みません。

戸籍謄本などの客観的な公的書類による証明が必須となり、
亡くなった方との関係性によって、
役所で収集すべき戸籍謄本等の範囲が変わります。

被相続人が「父又は母」の場合に必要な戸籍謄本等

  • 被相続人(父又は母)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

被相続人が「祖父又は祖母」の場合に必要な戸籍謄本等

  • 被相続人(祖父又は祖母)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本等
  • 既に他界している被相続人の子(自身の親)の出生から死亡までの全ての戸籍謄本等
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

※戸籍集めは、相続手続きにおける最初の難関です。
隠し子や養子縁組の有無なども、相続手続き先に証明しなければならないため、
被相続人の出生から死亡までの戸籍をすべて途切れなく集める必要があり、
非常に骨の折れる作業となります。

なお、出生から死亡までの戸籍謄本等の見本や見方については、
「出生から死亡までの戸籍謄本の見本と見方」で、
実例でわかりやすく解説しています。

また、戸籍の保存期限の関係上、古い戸籍がすでに役所で廃棄されている場合もあり、
その場合、出生から死亡までの戸籍謄本等はどうすれば良いかについては、
「戸籍が廃棄されて取得できない?廃棄証明書による相続手続きを行政書士が解説」
をご確認ください。

まとめ:第一順位の相続人の確定作業などに不安がある方へ

第一順位の相続人は、亡くなった方の子、または代襲する孫ですが、
前妻との間の子がいる場合や、養子縁組がある場合など、
必要な範囲の戸籍謄本等を収集し、戸籍の内容から正確に判断しないと、
誰が本当の第一順位の相続人なのかは確定できません。

もし、戸籍上の第一順位の相続人が誰なのか、判断を間違えて進めてしまうと、
遺産分割協議のやり直しや、銀行や不動産などの相続手続き書類の作り直しなど、
後から困ることになってしまいます。

そのため、相続手続きに必要な戸籍謄本等の収集や、正確な相続人の調査確定作業を、
自分ですべて行うのは不安という方や、自分でする時間がないという方は、
「相続手続きに必要な戸籍謄本等の収集に困っていませんか?」で楽に解決できます。

また、相続手続きに必要な戸籍収集から、銀行や不動産などの相続手続きまでを、
すべて自分で行う自信がない方や、自分でする時間がない方は、
「相続に必要な戸籍収集から、銀行預金・不動産などの相続手続きまるごと代行」で、
すべて楽に解決できます。

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