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戸籍の附票とは?相続で必要なケースと住民票との違いを行政書士が解説

2026 7/16
戸籍収集・相続人調査
2026年6月9日2026年7月16日
この記事を監修した専門家
行政書士寺岡孝幸の顔写真
行政書士 寺岡孝幸

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

相続手続きを進めていると、役所や金融機関などから
「被相続人(亡くなった方)の戸籍の附票を提出してください」
と案内されることがあります。

戸籍謄本や住民票は聞いたことがあっても、
「戸籍の附票」という書類は、日常生活で目にする機会がほとんどないため、
何のことかわからないという方が多いのではないでしょうか。

実は、不動産の名義変更(相続登記)や、
銀行の預貯金解約などの相続手続きにおいて、
戸籍の附票は、亡くなった方の同一性を証明するための書類になります。

この記事では、戸籍の附票とは何かから、相続手続きで必要になる3つのケース、
戸籍の附票の取得方法、戸籍の附票でも住所が繋がらない時の対処法まで、
相続専門の行政書士がわかりやすく解説致します。

この記事を読めば、戸籍の附票に関する疑問がすべて解決し、
迷うことなく、相続手続きを進められるようになります。

目次

【この記事の内容を動画で見る】

この記事と同じ内容を、【動画】でも観て頂けます。
記事を読みたい方は、このまま下に読み進めて下さい。

戸籍の附票とは?基礎知識と住民票との違い

そもそも戸籍の附票(こせきのふひょう)とは一体何なのでしょうか。
まずは基本的な役割について解説します。

戸籍の附票は、住所の移り変わりを記録した証明書

戸籍の附票とは、簡単に言うと、「その戸籍に入ってから現在に至るまでの、
すべての住所履歴が記録された証明書」のことです。

戸籍の附票の見本画像。本籍地や氏名とともに、入籍してからの住所履歴と住所を定めた日が記載されている証明書
【戸籍の附票の見本】その戸籍に入籍してからの過去の住所が、すべて記録されています。

戸籍謄本には「本籍地」や「親族関係」が載っていますが、
「住所」は記載されていません。

そこで、戸籍に記載されている人が、「いつ、どこに住んでいたのか」
という住所の履歴を、戸籍と連動させて記録しているのが戸籍の附票なのです。

住民票との違いは、履歴の長さと管理場所

住所を証明する書類といえば、「住民票」を思い浮かべる方が多いでしょう。

しかし、相続手続きでは、住民票の除票(亡くなった方の住民票)だけでは足りず、
戸籍の附票を求められることがよくあります。

その理由は、記録されている住所の履歴の長さが違うからです。

  • 住民票:基本的に「現在の住所」と「一つ前の住所」しか記載されません。
    (管理場所:現住所の役所)
住民票の見本画像。現住所と、前住所(一つ前の住所)のみが記載されている
【住民票の見本】基本的に「現在の住所」と「一つ前の住所(前住所)」しか記載されません。
  • 戸籍の附票:その戸籍に入ってから、除籍されるまでの「すべての住所履歴」が連続で記載されます。(管理場所:本籍地の役所)
戸籍の附票に記載された住所の変遷記録。複数回の引っ越しによる過去の住所履歴が連続して記載されている
【戸籍の附票の住所履歴】何度引っ越しをしても、過去の住所の変遷がすべて記録されます。

何度も引っ越しをしている場合、住民票だけでは、
過去の住所を追いかけることが困難になります。

そのため、住所の変遷をひと目で証明できる戸籍の附票が、
相続手続きにおいて非常に重宝されるのです。

相続手続きで「戸籍の附票」が必要になる3つのケース

では、具体的にどのような相続手続きの場面で、
亡くなった方の戸籍の附票が必要になるのでしょうか。
代表的なケースを解説します。

ケース1:不動産の相続登記(名義変更)をする時

最も多く戸籍の附票が求められるのが、法務局での不動産の相続登記(名義変更)です。

不動産の登記簿謄本(登記事項証明書)には、
不動産を取得した当時の「所有者の住所と氏名」が記載されています。

不動産の登記記録(登記簿謄本)の権利部(甲区)の見本。所有者欄に不動産取得当時の住所と氏名が記載されている
【不動産の登記記録】所有者欄には、不動産を取得した当時の古い住所が記載されています。相続登記では、この住所と最後の住所を繋げる必要があります。

相続登記をする際、法務局は「登記簿に載っている住所の人物」と、
「今回亡くなった人物」が、同一人物であることを住所と氏名で確認します。

もし、亡くなった方が、不動産を取得してから現在までに、
何度か引っ越しをしており、登記簿上の住所と最後の住所が異なる場合、
住所の繋がりを証明しなければ、登記を通すことができません。

この住所変更の繋がりを証明するために、戸籍の附票が必要になるのです。

ケース2:銀行の預貯金の解約手続きをする時

亡くなった方(被相続人)の銀行の預貯金を解約する際にも、
戸籍の附票が必要になることがあります。

例えば、亡くなった方が生前に、銀行へ届け出ていた住所から引っ越しをしたのに、
銀行への住所変更手続きを忘れていた場合です。

銀行側は「口座の名義人の住所」と「亡くなった方の最後の住所」が一致しないと、
本人確認が取れず、預金の払い戻しに応じてくれません。

このようなケースでも、戸籍の附票を提出して、
「過去にこの住所(銀行の届出住所)に住んでいた」という事実を証明することで、
無事に解約手続きを進めることができます。

なお、長年連絡が取れていない相続人の住所を調べたい場合も、
戸籍や戸籍の附票をたどることで、合法的に現住所を特定できるケースがあります。

音信不通の相続人や、行方不明の相続人の現住所を調べる具体的な手順については、
「行方不明の相続人の探し方!戸籍の附票から現住所を調べる手順と対処法」で、
ステップごとにくわしく解説しています。

ケース3:相続税の申告をする時

相続財産が基礎控除額を超え、税務署へ相続税の申告を行う場合にも、
亡くなった方の戸籍の附票の提出が求められる場合があります。

具体的には、平成28年1月1日以降の相続についての申告から、
マイナンバー関連書類が必要になったことに伴い、住所を確認できる書類として、
戸籍の附票が求められるケースがあるということです。

なお、実際には、マイナンバーの記載がある住民票など、
他の書類で足りる場合もあります。

戸籍の附票の取得方法と必要なもの

ここからは、実際に戸籍の附票を取得する方法と、必要なものについて解説します。

取得先は、現在の住所地ではなく「本籍地の役所」

戸籍の附票を取得する上で、一番間違えやすいのは、取得先です。
住民票は、現在住んでいる市区町村役場で取得できますが、
戸籍の附票は、「本籍地」のある市区町村役場でしか取得できません。

亡くなった方の本籍地が遠方にある場合は、窓口まで出向くのは大変なため、
郵送請求を利用して取り寄せるのが一般的です。

取得に必要な書類と手数料

亡くなった方(被相続人)の戸籍の附票を、相続人が取得する場合、
以下のものが必要になります。

  • 交付請求書(役所の窓口やホームページからダウンロードできます)
  • 相続人自身の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
  • 亡くなった方と請求者(相続人)の相続関係がわかる戸籍謄本や除籍謄本等
  • 手数料:1通あたり約300円(市区町村によって若干異なります)
  • 【郵送請求の場合】定額小為替(郵便局の手数料)と返信用封筒(切手貼付)

郵送請求の場合、交付請求書の記入ミスや、定額小為替の不足などがあると、
やり直しになり、非常に手間と時間がかかります。
相続手続きを急いでいる場合は、大きな負担となるため注意が必要です。

戸籍の附票を取っても「住所が繋がらない」時の対処法

不動産の相続登記などで、戸籍の附票を取得した際に困るのが、
「戸籍の附票に古い住所が載っておらず、登記簿上の住所と繋がらない」ケースです。

なぜ住所が繋がらない事態が起きるのか?

実は、本籍地の移転(転籍)をしていたり、
結婚や離婚などで別の戸籍に移っていたりすると、
古い戸籍は、除籍、または改製原戸籍となります。

また、法律上、除籍された戸籍の附票(除票)は、一定期間が経過すると、
役所で破棄されてしまい、二度と取得できなくなります。

以前は、保存期間が5年間と短かったため、
古い住所の記録はすでに廃棄されているケースが、非常に多いです。

現在は、法改正により150年保存になっていますが、
すでに廃棄済みのものは、廃棄のままになっています。

解決方法:不在住証明書や不在籍証明書、権利証を活用する

戸籍の附票が廃棄されていて住所が繋がらない場合でも、
不動産の相続登記を諦める必要はありません。

法務局に対して、以下の代替書類を提出することで、
同一人物であることを証明し、登記を進めることができます。

  1. 不在住証明書・不在籍証明書を取得する
    登記簿上の住所の役所で「現在、この住所にこの人物は住んでおらず、本籍も置いていない」という証明書を発行してもらう方法です。
  2. 不動産の権利証(登記済証・登記識別情報)を提出する
    亡くなった方が、その不動産を取得した際の「権利証」の原本を法務局に提示することで、本人である確証性が高いと判断してもらう方法です。
  3. 上申書を作成する
    相続人全員で「間違いなく同一人物である」旨を記載し、実印を押印して印鑑証明書を添付した上申書を、法務局へ提出します。※これについては、現在は通常、不要になっています。

上記の代替手段は、役所から各証明書の取得作業や、
法務局の担当官との事前確認などが必要になるため、
ご自身で解決するにはハードルが高く、途中で挫折してしまう方もいらっしゃいます。

相続の戸籍収集、銀行や不動産などの相続手続で困ったら?

相続手続きにおいて、戸籍の附票を取得し、
過去の住所と現在の住所を正確に繋ぎ合わせる作業は、
想像以上に専門知識と手間がかかります。

「遠方の役所と、戸籍の附票で何度も郵送のやり取りをする時間がない」
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