
国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]
「祖父が亡くなったが、父はすでに他界している場合、
孫が代わりに相続人になるのだろうか?」
「兄弟姉妹が亡くなったけど、先に他界している兄弟姉妹がいる場合、
甥や姪に相続権は移るのだろうか?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
本来相続人になるはずだった人が、被相続人よりも先に亡くなっている場合、
その子どもや、孫が代わりに相続権を引き継ぐ仕組みを、
代襲相続(だいしゅうそうぞく)と呼び、
孫やひ孫、甥・姪が相続人になる典型的なケースです。
代襲相続は、家系の中で世代を超えて相続権が移動するため、
関係者が増えて、相続手続きが複雑になりやすい特徴があります。
「誰が相続人になるのか」「どれだけの割合を相続できるのか」
を正しく理解しておかないと、親族間での思わぬトラブルや、
手続きのやり直しに繋がってしまいます。
そこでこの記事では、代襲相続の基礎知識から、
孫やひ孫(再代襲)、甥・姪が相続人になる具体的なケース、
実務上間違いやすい相続放棄や養子縁組が絡むケースまで、
相続専門の行政書士が分かりやすく解説いたします。
代襲相続とは、被相続人(亡くなった人)が死亡して相続が開始した際、
本来であれば相続人になるはずだった人(子や兄弟姉妹)が、
すでに死亡などの理由で相続権を失っている場合に、
その人の子ども(孫や、甥・姪)が代わりに相続人となる制度です。
民法に定められたこの制度により、本来引き継がれるべきだった相続権が、
下の世代へとスライドして引き継がれます。
最も一般的なのは、祖父(被相続人)より先に、父(本来の相続人)が他界しており、
祖父が亡くなったことで、孫が代襲相続するというケースです。

【典型例の図解イメージ】
・祖父(被相続人):2026年他界
・父(本来の相続人):2020年に他界(先に死亡)
・孫(代襲相続人):父の代わりに、祖父の遺産を相続する権利を取得
このように、世代をまたいでダイレクトに孫へ相続権が移動するのが、
代襲相続の基本です。
代襲相続とよく混同される相続パターンに、
数次相続(すうじそうぞく)があります。
実務上、この2つを間違えると、集めるべき戸籍や、
遺産分割協議書の書き方が全く異なってしまうため、
最初の段階で、次のように正しく見分ける必要があります。
※数次相続と代襲相続の違いついて、より詳しく知りたい方は、
数次相続と代襲相続の違いとは?混同しやすい2つの相続パターンを行政書士が徹底比較
を必ずご確認ください。
先に亡くなっていることが代襲相続の主な原因ですが、
実は法律上、代襲相続が発生する原因は、以下の3つに限られています。
実務の9割以上がこれに該当します。
被相続人よりも前に、子どもや兄弟姉妹が亡くなっている場合です。

この場合、被相続人の孫や甥姪に、代襲相続が発生します。
本来の相続人が、被相続人を故意に死亡させたり、
遺言書を偽造・破棄したりするなど、
著しい非行によって、法律上当然に相続権を剥奪された状態を指します。

この場合、欠格者の子どもに、代襲相続が発生します。
被相続人に対して、虐待や重大な侮辱を行った本来の相続人について、
被相続人が家庭裁判所に申し立てるなどして、相続権を失わせる手続きです。

この場合も、廃除された人の子どもに、代襲相続が発生します。
一般の方が最も勘違いしやすいのが、相続放棄(そうぞくほうき)です。
「父が多額の借金を遺して亡くなったので、自分が相続放棄をすれば、
自分の子ども(孫)に借金が代襲相続されてしまうのではないか?」
と心配される方が非常に多くいらっしゃいます。
結論から言うと、相続放棄をした場合、代襲相続は発生しません。

法律上、相続放棄をした人は「最初から相続人でなかったもの」とみなされます。
存在自体が最初からなかったことになるため、
その子どもに借金を含む権利がスライドすることはありませんので、ご安心ください。
代襲相続によって誰が相続人になるのかは、
亡くなった本来の相続人が子どもなのか、
兄弟姉妹なのかによって、法律上のルールが異なります。
被相続人の子供や孫などの直系卑属が本来の相続人である場合、
子どもが先に死亡していれば、「孫」が代襲相続人になります。

もし、その孫もすでに死亡している場合は、
さらにその子どもである「ひ孫」が代わりに相続人となります。
これを「再代襲(さいだいしゅう)」と呼びます。

直系卑属(下の世代)については法律上の制限がありません。
そのため、孫、ひ孫、玄孫(げんそん)へと、
下の世代が存命である限り、何代でも再代襲が繰り返されます。
被相続人に子どもや親がおらず、
第三順位である兄弟姉妹が本来の相続人になるケースです。
兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、
その子どもである「甥(おい)・姪(めい)」が代襲相続人になります。

しかし、兄弟姉妹の代襲相続は、「甥・姪の一代限り」と法律で定められています。
したがって、甥や姪もすでに亡くなっている場合、
その子ども(大甥・大姪)に権利が引き継がれる再代襲は発生しません。
この違いは重要ですので、しっかり覚えておきましょう。
「長男(夫)が先に亡くなった後、義理の父が亡くなった。
長男の妻である自分は、夫の代わりに代襲相続できるか?」
というご質問をよくいただきます。
答えは「ノー」です。代襲相続人になれるのは、
被相続人と血のつながり、または法律上の親子関係がある直系卑属のみです。
血縁関係のない息子の妻や娘の夫など配偶者は、
どれだけ義理の親の介護に尽くしていたとしても、
法律上の代襲相続人にはなれません。
実際の相続において最も複雑で、判断を誤る恐れがあるのが、
養子の子(養孫)における代襲相続の可否です。
これは、「その子どもが生まれた時期」によって結論が真逆になります。
養子縁組が成立した時点で、養親と養子の間には法律上の血族関係が生じます。
そのため、縁組の「後」に生まれた養子の子どもは、
被相続人(養親)から見て直系卑属(法律上の孫)に該当します。

したがって、養子が先に亡くなった場合、
その子どもは問題なく代襲相続人になれます。
養子縁組が成立するよりも「前」に、
すでに養子に子どもが生まれていた場合です。
この子どもは、養子縁組によって被相続人(養親)との間に、
直系卑属としての血族関係が生じません。
連れ子のような扱いとなります。
そのため、養子が先に他界したとしても、
縁組前に生まれていた子どもには、代襲相続権は一切認められません。
この判断を誤ると、本来相続人ではない人を含めて遺産分割協議を行ってしまい、
協議自体が完全に「無効」になってしまう重大なリスクがあります。
代襲相続人が受け取ることができる遺産の割合(法定相続分)は、
「本来の相続人がもらうはずだった割合」をそのまま引き継ぎます。
代襲相続人が複数いる場合は、本来の取り分をその人数で均等に分割します。
【具体例:被相続人(祖父)に、実質1,200万円の遺産がある場合】
・相続人:長男(存命)、二男(先に死亡、子どもが2人(孫A・孫B)いる)
・本来の法定相続分:長男2分の1(600万円)、二男2分の1(600万円)
このケースでは、先に亡くなっている二男の枠(600万円)を、
代襲相続人である孫Aと孫Bが等しく引き継ぎます。
・長男:600万円(2分の1)
・孫A:300万円(4分の1)
・孫B:300万円(4分の1)
このように、本来亡くなった親が受け取るはずだった取り分を、
子どもたちで山分けする形になります。
代襲相続が発生した場合、銀行での預金解約や、
法務局での不動産の名義変更(相続登記)の手続きにおいて、
最も大きなハードルとなるのが「戸籍謄本等の収集」です。
通常の相続手続きに比べ、代襲相続では集めるべき書類の範囲が格段に広がります。
戸籍書類に一つでも不足があると、
法務局や銀行の窓口で手続きはストップしてしまい、
何度も役所を往復することになってしまいます。
結局、自分たちのケースでは、誰の戸籍をどこまで集めれば良いのか知りたい方は、
「相続人調査とは?戸籍で相続人を確定する手順を相続専門の行政書士が解説」や、
「兄弟姉妹・甥姪が相続人の戸籍収集範囲はどこまで?膨大な理由も行政書士が解説」
を参考にしていただければと思います。
代襲相続は、世代を超えて関係者が増えるため、
親族間での連絡や調整も難しくなりがちです。
また、養子縁組の時期や、相続放棄の有無など、
法的な判断を伴う場面も多く、
自己判断での手続きには大きなリスクを伴います。
「自分のケースは、代襲相続になるのかよく分からない」
「役所から古い戸籍を集めて、内容を解読する自信がない」
「戸籍収集や、銀行や不動産等の相続手続きを全部自分でする自信がない」
このような不安を抱えていらっしゃる方は、
まずは当サイトの代行サービスをご活用ください。
相続手続きに必要な戸籍謄本等の収集と相続人の調査確定の代行につきましては、
こちらの「相続手続きに必要な戸籍謄本等の収集に困っていませんか?」をご覧ください。
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