
国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]
「父が亡くなり、銀行へ行ったら、遺産分割協議書はありますかと言われた」
「実家の名義変更をしたいけれど、そもそも遺産分割協議書は必要なの?」
相続が発生すると、役所や金融機関から、当たり前のように専門的な書類を要求され、
戸惑う方は非常に多いです。
結論から言えば、遺産分割協議書は、すべての相続において、
必ず作成しなければならない書類ではありません。
「遺言書がある場合」や「相続人が1人だけの場合」など、
遺産分割協議書の作成が不要なケースもたくさんあります。
そこでこの記事では、遺産分割協議書の「作成が絶対に必要なケース」と、
「作成が不要なケース」の明確な判断基準を、
相続専門の行政書士がわかりやすく解説いたします。
この記事を読むだけで、あなたのご家族の相続で、
「遺産分割協議書を作るべきか否か」が確実にわかり、
銀行や法務局などでの無駄なやり取りや、手戻りを未然に防ぐことができます。
遺産分割協議書とは、亡くなった方(被相続人)の財産を、
「誰が・どの割合で・どのように引き継ぐか」について、
相続人全員で話し合って合意した内容をまとめた正式な書面です。
預貯金や不動産といった遺産は、亡くなった瞬間に相続人全員の「共有財産」となります。
そのため、特定の誰か一人に名義変更したり、預金を解約したりするためには、
「相続人全員がこの分け方に納得しています」という明確な証拠を提出しなければなりません。
その証明書となるのが、通常、相続人全員の実印が押され、
相続人各自の印鑑証明書も添付された遺産分割協議書なのです。
ただ、遺産分割協議書の作成は義務ではないため、
絶対に遺産分割協議書の作成が必要なケースと、
遺産分割協議書の作成が不要なケースがあります。
それぞれのケースを、順番に解説いたします。
相続するために、遺産分割協議書は、必ず作成しなければならないわけではありません。
実務上、作成が求められることが多いのは、主に次の4つのケースです。 まずは、ご自身の状況が当てはまるかどうかを確認してみてください。
遺言書が存在せず、相続人同士の話し合い(遺産分割協議)によって、
民法で定められた割合(法定相続分)とは違う分け方をする場合です。
例えば「長男が実家を全て相続し、次男は現金を多めに受け取る」といったケースでは、
相続人全員が合意した遺産分割協議書(実印で押印・印鑑証明書付き)がないと、
その後の不動産の名義変更手続きが進められません。
遺言書が存在せず、亡くなった方名義の不動産(土地や建物)を、
特定の相続人が法定相続分と異なる割合で相続する場合には、
法務局へ提出する申請書類として、遺産分割協議書の添付を求められるのが通常です。
特に、2024年(令和6年)4月1日から相続登記が義務化されたため、
亡くなった方に遺言書がなくて、不動産が含まれる相続では、
速やかに遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成するのが一般的です。
基礎控除額を超え、相続税の申告・納税が必要になるケースにおいて、
遺言書の通りに遺産を分ける場合や、法定相続人1人の場合以外は、
税務署へ提出する申告書に、遺産分割協議書(又はその写し)を添付するのが一般的な取扱いです。
また、「配偶者の税額軽減」などの特例を適用して、税金を抑えるためには、
原則として、申告期限内に遺産分割協議書を作成しておく必要があります。
亡くなった方が所有していた自動車を、
相続人の誰か単独の名義に変更する(または売却処分する)場合、
陸運局での移転登録手続きにおいて、遺産分割協議書の提出が求められます。
ただし、査定額がおおむね100万円以下の自動車の場合には、
管轄の運輸支局などでも用意している「遺産分割協議成立申立書」などの書類で、
代用できる運用となっていることもあるため、事前に確認することをお勧めします。
相続において、遺産分割協議書の作成が問題となるのは、
一般的には上記のような4つのケースです。
実際には、相続財産の内容や、金融機関・関係機関の運用により、個別に判断されます。
なお、銀行預金の相続手続きや、株・投資信託などの有価証券の相続手続きでは、
その金融機関の所定の用紙によって手続きするのが一般的であり、
必ずしも別途の遺産分割協議書が求められるとは限りません。
しかし、後になって「そんな分け方には納得していない」
といった親族間トラブル(言った・言わないの争い)を完全に防ぐための証拠として、
専門家を交えて作成しておくことが、実務上は最も安全と言えます。
一方で、以下の4つのケースに該当する場合は、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
亡くなった方が法的に有効な遺言書を残しており、
その内容通りに遺産を分ける場合は、遺産分割協議書は不要です。
相続手続きにおいて、遺言書の内容は遺産分割協議よりも最優先されるため、
遺言書自体が、名義変更などの証明書類として機能します。
そもそも話し合う相手がいないため、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
たとえば、配偶者はおらず、一人っ子の場合など、相続人があなた1人であれば、
戸籍謄本等で「相続人が自分しかいない事実」を証明するだけで、
すべての相続手続きや、名義変更手続きが可能です。
民法で定められた法定相続分(例:妻が2分の1、子供2人が4分の1ずつ等)と、
まったく同じ割合で不動産を「共有名義」にする場合は、
法定通りの処理となるため、遺産分割協議書は原則不要です。
ただし、不動産を共有名義にすると、将来の売却時にトラブルになりやすいため、
実務上はあまり推奨されません。
もともと相続人が複数いた場合でも、他の相続人全員が、
家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行い、結果的に、
相続する権利を持つ人が1人だけになった場合は、遺産分割協議書は不要です。
この場合は、家庭裁判所から発行される「相続放棄申述受理通知書」が、
証明書類となります。
ここまで、遺産分割協議書が必要なケースと、不要なケースを解説しました。
しかし、実際に手続きを進めようとすると、
多くの方が次のような大きな壁にぶつかります。
「平日に何度も銀行や法務局とやり取りする時間がない」
「誰がどの財産を相続するのが正解か、分け方が分からない」
「疎遠な相続人がいて、自分からは連絡や交渉をしづらい」
「専門的な遺産分割協議書を、ミスなく作成できるか自分では判断できない」
遺産分割協議書は、財産の書き漏れや、実印の押し忘れなど、
記載内容に少しでも不備があると、法務局や金融機関から突き返され、
相続人全員から実印をもらい直すという最悪の事態に陥ります。
ご自身での判断や作成に少しでも不安がある場合は、
相続手続きを熟知したプロ(行政書士)へ代行を依頼するのが、
最も確実でストレスのない正解の場合もあります。
当所では、戸籍の収集や、法的に完璧な遺産分割協議書の作成、
複雑な相続手続きを、全国対応で代行しております。
「自分のケースでは、遺産分割協議書が必要か分からない」
という段階でも構いませんので、まずは、当所の無料相談をご利用いただき、
あなたの負担を最小限にする解決策を見つけてください。