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相続人調査の方法!相続人を確定する手順と注意点を行政書士が解説

2026 8/26
法定相続人
2026年6月13日2026年8月26日
この記事を監修した専門家
行政書士寺岡孝幸の顔写真
行政書士 寺岡孝幸

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

相続手続きを始めようとした際、最初に直面する壁が、
「相続人調査(そうぞくにんちょうさ)」です。

「うちは普通の家族だから、誰が相続人かなんて調べなくても分かっている」
そう考えている方も、多くいらっしゃいます。

しかし、相続人調査とは、単に家族の顔ぶれを確認することではなく、
亡くなった人の戸籍を出生まで遡り、法定相続人を一人の漏れもなく確定させるために、
被相続人と相続人の戸籍謄本等を収集し、相続人全員を客観的に証明する作業を指します。

万が一、家族の知らない相続人や、亡くなった方が秘密にしていた相続人が、
戸籍上、後から一人でも見つかると、それまでの遺産分割の話し合いや、
相続手続き書類の準備が、すべてやり直しになってしまうおそれがあるのです。

そこで、相続人調査が必要な理由から、相続人調査の具体的な手順、
相続人調査の限界と「過酷」と言われる理由まで全てわかるように、
相続専門の行政書士が、相続人調査についてくわしく解説いたします。

相続人調査の全体像と、戸籍の集め方から相続人を確定する具体的な手順までを、
初めての方にも分かりやすくお伝えします。

目次

なお、この記事の内容は、下記の動画でも無料で何度でもご視聴いただけます。

なぜ相続人調査が必要なのか?一人の漏れも許されない理由

結論から申し上げますが、相続人調査を怠り、
法律上の相続人を一人でも見落としたまま進めた手続きは、
通常、後からすべて「無効」と扱われ、やり直しが必要になります。

例えば、誰がどの財産をもらうかの話し合いを行い、
遺産分割協議書を作成して、全員の実印を押したとしても、
後から「実は他に、前妻の子や、過去に認知した子がいた」という事実が発覚した場合、
その遺産分割協議は、最初からやり直しになります。

  • 銀行の預貯金解約: 亡くなった方の遺言書がある場合や、少額の場合、遺産分割前の相続預金の払戻し制度を利用するなどの例外を除き、原則、相続人全員の同意がないと、1円も引き出せません。
  • 不動産の相続登記: 法務局も、亡くなった方の遺言書がある場合を除いて、被相続人の出生から死亡までの戸籍や、法定相続人全員の戸籍が揃っていない限り、通常、名義変更を認めてくれません。

つまり、戸籍収集と相続人調査はセットで、相続手続きにおけるスタートラインであり、
法定相続人の一人の漏れも許されないからこそ、慎重で確実な調査が求められるのです。

相続人調査の手順!戸籍から法定相続人を確定する3ステップ

相続人調査は、手順に沿って、戸籍を集めていく必要があります。
具体的には、以下の3つのステップを順番に実行します。

相続人調査の手順3ステップ図解(1.亡くなった人の出生から死亡までの戸籍収集、2.全ての法定相続人の洗い出し、3.現在の戸籍取得)
【図解】相続人を1人の漏れもなく確定させるための3つの基本ステップ

ステップ1:亡くなった人の「出生から死亡まで」の戸籍を集める

まずは、亡くなった人(被相続人)の「最後の本籍地」の役所で、
死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)を取得することから始めます。

死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本・全部事項証明書)の見本画像。身分事項の欄に死亡日や死亡地が記載されている箇所(赤枠部分)。
【戸籍の見本】まずは赤枠で囲まれた「身分事項」の欄に、亡くなった事実(死亡日・死亡地など)が記載されているかを必ず確認します。

そこから、1つ前の本籍地、さらにその前の本籍地へと、婚姻、転籍、
法改正による改製などを手がかりに、「出生(概ね0歳〜10歳頃)」まで、
時間を過去へと遡るように、全ての戸籍を収集していきます。

相続人調査に必要な「亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍」の見本
転籍や法改正による改製を遡り、解読が難しい手書きの古い戸籍を含む「すべての戸籍」を途切れることなく収集する必要があります。

「具体的にどんな戸籍を集めるのか、見本が見たい」
「昔の古い戸籍の種類が分からない」という方は、
以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

  • 関連記事:出生から死亡までの戸籍謄本の見本と見方
  • 関連記事:戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違いと見分け方【見本画像付】行政書士が解説

なお、どこまで戸籍を遡ればよいかという戸籍収集の範囲や集め方の全体像については、
「相続手続きの戸籍収集はどこまで必要?遡る範囲を行政書士が解説」で、
図解入りでくわしく解説しています。

ステップ2:集めた戸籍から「すべての法定相続人」を洗い出す

相続人調査で確定すべき法定相続人の範囲と順位(第一順位〜第三順位・代襲相続)の図解
古い戸籍を正確に読み解き、現在の家族が知らない「過去の認知」や代襲相続を含め、法定相続人を1人の漏れもなく確定させます。

亡くなった人の出生までの戸籍が揃ったら、記載されている内容を1行ずつ解読し、
まずは、亡くなった人に子供がいるのかどうかを確認します。

ここで重要なのは、現在の家族が把握していない、
「過去の事実」が紛れ込んでいないかを確認することです。

具体的には、婚姻外で生まれた子供を「認知」していないか、
過去に養子縁組をしていないかなどを、古い戸籍の内容から読み解き、
すべての法定相続人を特定します。

もし、亡くなった人に子供や孫がいないことが確認できた場合には、
次に、第二順位の相続人となる両親や祖父母など直系尊属が生存していないかを調べます。

そして、亡くなった人に子供も直系尊属もいないことを確認できた場合には、
最後に、第三順位の相続人となる兄弟姉妹、亡くなっている兄弟姉妹がいれば、
その子(甥や姪)がいないかを調べます。

なお、この第三順位の兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合には、
亡くなった人の両親の出生から死亡までの戸籍謄本等も収集し、
兄弟姉妹だけでなく、異父兄弟姉妹や異母兄弟姉妹がいないかも調べるのです。

誰が法律上の相続人になるのか、法定相続人の順位や割合について、
正確に把握したい場合は、以下の記事が参考になります。

  • 関連記事:法定相続人の範囲と順位をわかりやすく解説!
  • 関連記事:法定相続分とは?民法の法定相続人の相続割合

ステップ3:判明した法定相続人の「現在の戸籍」を取得する

法定相続人が特定できたら、その全員が現在も生存しているかを確認するため、
各法定相続人の現在の戸籍謄本を取得します。

もし、亡くなった人よりも前に、死亡している子供(法定相続人)がいた場合は、
その子供の子供(孫)が、代わりに相続権を引き継ぎ、
「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」が発生するため、
さらにその孫の戸籍へと調査範囲が拡大していきます。

第一順位の法定相続人と、子供が先に亡くなっている場合の孫への代襲相続の仕組みを表す親族図
【図解】子供が先に亡くなっている場合の「孫への代襲相続」の仕組み

もし、亡くなった人に子供や孫などの直系卑属も、
両親や祖父母などの直系尊属もいない場合で、
兄弟姉妹がいる場合には、現在も生存しているかを確認するため、
各兄弟姉妹の現在の戸籍謄本を取得するのです。

子供や直系尊属が誰もいない場合に、兄弟姉妹が第三順位の法定相続人になるケースを表す図
【図解】子供も両親もいない場合に「兄弟姉妹」が相続人となるケース

また、亡くなった人よりも前に、死亡している兄弟姉妹(法定相続人)がいた場合は、
その兄弟姉妹の子供(甥や姪)が、代わりに相続権を引き継ぎ、
「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」が発生するため、
さらにその甥や姪の戸籍へと調査範囲が拡大していきます。

第三順位の法定相続人である兄弟姉妹が先に亡くなっている場合の、おい・めいへの代襲相続の仕組みを表す図
【図解】兄弟姉妹が先に亡くなっている場合の「甥・姪への代襲相続」

なお、代襲相続とは何か、孫や甥姪が相続人になるケースについては、
「代襲相続とは?孫や甥姪が相続人になるケースと再代襲を行政書士が解説」で、
くわしく解説しています。

相続人調査で戸籍収集をする際の注意点

相続人調査のために戸籍を収集する際には、
亡くなった方(被相続人)の戸籍の附票か、
または死亡時の住民票(住民票の除票)も、同時に取得しておくとよいでしょう。

戸籍の附票(全部事項証明書)の実物見本画像。赤枠部分に過去の住所履歴が連続して記載されている箇所。
【戸籍の附票の見本】赤枠部分に記載された住所履歴で、登記簿や銀行口座との名義のつながりを証明します。

なぜなら、亡くなった方の銀行口座の住所や、
特に不動産の登記簿上の住所が最後の住所と異なる場合には、
戸籍の附票や住民票の除票によって住所の履歴を証明し、
住所のつながりを示せるようにしておく必要がある
からです。

なお、戸籍の附票とは何か、相続で戸籍の附票が必要なケースと住民票との違いは、
「戸籍の附票とは?相続で必要なケースと住民票との違いを行政書士が解説」で、
くわしく解説しています。

自分でやる相続人調査の限界と「過酷」と言われる現実

「戸籍を集めるだけなら自分でもできそう」と思うかもしれませんが、
実務においては、特に面識のない相手が相続人になる場合や、
兄弟姉妹や甥姪が相続人になる場合に、一般の方が途中で力尽きて、
当所に相談に来られるケースもよくあるのが現実です。

なぜなら、以下のような過酷な現実が待ち受けているケースもあるからです。

ケース①:前妻との子や、認知した子供(法定相続人)の発覚

「家族の仲が良いから安心」と思って戸籍を遡った結果、
数十年前に離婚した前妻との間に子供がいた事実や、
婚姻外の子供を認知していた事実が戸籍上に出てくることがあります。

どれだけ今の家族が会ったこともない相手であっても、
法律上の法定相続権は発生します。

その見知らぬ相手と連絡を取り、遺産分割協議書または相続手続き書面に、
実印をもらわなければならないという精神的・実務的負担は、
一般の方にとってかなり過酷です。

ケース②:明治・大正時代の古い戸籍の内容を理解できない

戸籍を大正や明治時代まで遡ると、当時の役所の担当者が、
毛筆の手書きで書いた戸籍(改製原戸籍など)が登場します。

これらは、独特の崩し字(くずし字)や変体仮名で書かれており、
戸籍の知識がない一般の方が判読するのは、難しいのです。

文字が読めなければ、次の役所へ遡るための転籍地(前の本籍地)の特定ができず、
調査はそこでストップしてしまいます。

ケース③:遠方の役所への「郵送請求」の果てしない往復

自治体によっては、オンライン請求や広域交付制度もありますが、
亡くなった人が生涯の中で何度も婚姻や離婚、転籍を繰り返している場合や、
亡くなった人の兄弟姉妹や甥姪など直系以外の人が相続人になる場合、
東京、大阪、北海道など、全国各地の役所へ戸籍を請求するケースもあります。

そのケースの多くは、各役所に対して、いくらの定額小為替を同封すべきかを調べ、
申請書を書き、返信用封筒を入れて郵送するといった手続きを、
役所の数だけ何往復も繰り返す必要があります。

相続人調査で全国各地の複数の役所へ戸籍謄本を郵送請求する際の手間と大量の必要書類のイメージイラスト
各役所への郵送請求書類の作成と定額小為替の手配を、何往復も繰り返す、非常に過酷な作業となります。

その結果、戸籍収集だけで、数ヶ月の時間が過ぎていくケースもあるのです。

ここまでご紹介したように、相続人調査を最後までご自身だけでやり切るのは、
時間的にも精神的にも、一般の方にとってはかなり過酷な作業になるケースが少なくありません。

そのため、相続人調査の途中であっても、限界を感じた段階で、
専門家にバトンを渡すのも、一つの現実的な選択肢です。

特に、兄弟姉妹や甥姪が相続人になるケースや、
相続人の中に連絡が取れない行方不明者がいるケースでは、
調査の難易度が跳ね上がります。該当する方は、必ず以下の記事もお読みください。

  • 関連記事:兄弟姉妹・甥姪が相続人の戸籍収集範囲はどこまで?膨大な理由も行政書士が解説
  • 関連記事:行方不明の相続人の探し方!戸籍の附票から現住所を調べる手順と対処法

まとめ:相続人調査は、最初の一歩を間違えないことが大切

相続人調査は、ただの書類集めではなく、のちの遺産トラブルを未然に防ぎ、
すべての相続手続きを安全に進めるため、一番最初に正確に行うべき作業
です。

この記事でご紹介した手順を参考に、
まずはできる範囲で戸籍を集めてみていただくのも一つの方法です。

しかし、次のような状況に一つでも当てはまる場合は、ご自身だけで抱え込まず、
相続手続きにくわしい行政書士への相談も検討してみてください。

  • 自分で役所から必要な戸籍を集めて相続人調査をするのは、
    正直むずかしい・無理だと感じている。
  • 多数の古い戸籍をすべて自分で解読して、相続人を正確に確定する自信がない。
  • 兄弟姉妹や甥姪が相続人のため、集める戸籍の範囲が広すぎて対応しきれない。
  • 平日に役所や郵便局などへ何度も行く時間がほとんど取れない。

当所(行政書士)では、過去20年間以上、郵送やメール・お電話を活用して、
「相続手続きに必要な戸籍収集 と 相続人の調査確定」の代行サービスを、
全国対応で行っています。

職務上請求を用いることで、必要な戸籍を漏れなく収集し、
相続人調査の結果がひと目で分かる相続人一覧表と、
相続関係説明図をあわせてお渡ししております。

くわしい代行費用や対応内容について知りたい方は、
具体的な代行料金と、代行サービスの流れを分かりやすくまとめていますので、
「相続手続きに必要な戸籍謄本等の収集に困っていませんか?」
のページをご確認ください。

また、戸籍収集や相続人調査だけでなく、相続手続きを全部丸投げしたいという方は、
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なお、まずは相談をしたいという方は、常時、相続無料相談を行っておりますので、
「お問合せ&相続無料相談」より、お問合せいただき、
ご事情やご状況などお聞かせいただければ、その内容に合わせて柔軟に対応致します。

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この記事を書いた人

寺岡孝幸のアバター 寺岡孝幸 土地家屋調査士・行政書士

行政書士・土地家屋調査士の寺岡孝幸です。行政書士寺岡孝幸事務所の代表として、全国対応で「相続に必要な戸籍収集及び相続人調査確定」や「銀行預金や株の相続手続き」など、相続手続き全般の実務に20年間携わっています。行政書士としては、日本行政書士会連合会の行政書士会員に登録されている正規の会員です。土地家屋調査士としては、高知県土地家屋調査士会及び公益社団法人高知県公共嘱託登記土地家屋調査士協会に所属。(運営者・筆者プロフィール詳細)

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