
国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]
「役所や銀行で渡された書類に『被相続人』と書いてるけど、誰のこと?」
「相続人と被相続人って、一体何が違うの?」
「父も母もすでに亡くなっている場合、被相続人はどっちのこと?」
身内が亡くなり、いざ相続手続きを始めようとした時、最初につまずくのが、
この被相続人(ひそうぞくにん)という聞き慣れない法律用語です。
この記事では、「被相続人」の意味と「相続人」との違いについて、
具体例を交えて、相続専門の行政書士が徹底解説します。
この記事を読めば、「被相続人」と「相続人」の違いがはっきり分かり、
相続に必要な戸籍収集や、銀行預金や不動産などの相続手続きを、
専門用語に戸惑わず進められるようになります。
結論から申し上げますと、被相続人(ひそうぞくにん)とは、
亡くなって、財産や権利を残した人のことを指します。

しかし、「亡くなった人=被相続人」とだけ覚えてしまうと、
実際に相続手続きを行う際に混乱が生じます。
なぜなら、家族の中では、祖父母や両親など、
すでに亡くなっている人が複数いるのが普通だからです。
亡くなっている人全員が、常に被相続人になるわけではありません。
被相続人を正確に見極めるためには、
「いま現在、誰の財産についての相続手続きを行おうとしているのか?」
という視点が絶対に必要になります。

例えば、数年前に父が亡くなっており、今回新たに母が亡くなったとします。
今回、亡き母名義の預貯金や不動産の相続手続きをする場合、
今回の手続きにおける被相続人は、「母」だけです。
父はすでに亡くなっていますが、
今回の相続手続きの対象財産を残した人ではないため、
被相続人とは呼びません。
相続人という言葉は聞いたことがあっても、
被相続人には、なぜ「被」という文字がついているのでしょうか。
日本語の「被(ひ)」という漢字には、
被害(害を受ける)や被告(訴えられる)のように、
「〜される」という受け身の意味があります。
つまり、法律用語としての「被相続人」は、
「自分の残した財産を、相続人によって相続される人」
という意味を持っているのです。
言葉が似ているため混同しやすいですが、
「被相続人」と「相続人」には、明確な違いがあります。
| 被相続人(ひそうぞくにん) | 相続人(そうぞくにん) |
|---|---|
| 亡くなって財産を残した人 | 被相続人の財産を受け継ぐ人 |
| 相続をされる側 | 相続をする側 |
| 通常1人、数次相続の場合は複数 (例:亡くなった父や亡くなった母) | 通常1人~複数 (例:残された配偶者や子ども) |
財産を残す被相続人は通常1人ですが、その財産を受け継ぐ相続人は、
複数になるケースが多く、民法によって常に相続人になる「配偶者」や、
優先順位が決められた血族(子供、親、兄弟姉妹)などが該当します。
通常、被相続人は、亡くなった方お一人を指しますが、
数次相続が起きているケースでは、複数の被相続人が順番に関係することもあります。
例えば、祖父の相続の手続きが終わる前に父が亡くなり、
祖父の相続と父の相続が立て続けに発生するような場合です。
このようなケースでは、「祖父」と「父」という複数の被相続人が登場し、
相続関係や必要な戸籍が一気に複雑になります。
また、相続人側のパターンとして、 子どもが親より先に亡くなったときに、
孫が代わりに相続する「代襲相続」もあります。
これらの少し複雑な相続関係については、
「代襲相続とは?孫が相続人になるケースを行政書士が解説」や、
「数次相続とは?2つの相続が続けて起きたときの注意点」でくわしく解説しています。
実際に手続きを進める際に、被相続人が誰になるのか絶対に迷わないよう、
よくあるケースごとの具体例を挙げて解説します。
「誰の財産の相続手続きをするのか」を基準に考えれば簡単です。

お父様が亡くなり、亡父が残した預金や家の相続手続きを行う場合です。
仮に、子どもの1人がすでに亡くなっており、
その子ども(亡父から見た孫)が代襲相続する場合でも、
対象となる財産を残したのは父ですから、被相続人は「亡父」のままです。


不幸にして子どもが先に亡くなり、両親が生きているケースにおいて、
亡くなった子どもの銀行口座や車などの財産を、両親が相続する場合です。

子どもがいない兄や姉が亡くなり、両親や祖父母もすでに他界している場合、
亡くなった方の兄弟姉妹が相続人となります。
この場合、亡き兄(または姉)が残した財産の手続きを行うため、
被相続人は、亡くなった兄(または姉)です。
叔父または叔母が亡くなり、兄弟姉妹や甥・姪が相続人になるケースでも同様に、
被相続人は、亡くなった叔父・叔母となります。
ここからが、実際の相続手続きにおいて、最も間違いやすい重要なポイントです。
銀行の「相続届又は相続手続き依頼書」や、法務局の「登記申請書」、
役所の各種手続き書類には、必ずと言っていいほど、
「被相続人」の氏名、生年月日、死亡日、最後の住所を記入する欄があります。
そのような手続き書類の被相続人欄には、
今回、名義変更や解約をする財産の本来の持ち主(亡くなった方)の氏名等
を記入してください。
非常によくある失敗例として、実家の土地の名義変更(相続登記)をする際、
父は何十年も前に亡くなっており、最近母が亡くなったにもかかわらず、
その土地の名義が、「亡き父」のまま放置されていたケースがあります。
この場合、相続手続きの対象となる財産の名義人は父ですから、
書類の被相続人欄には、直近で亡くなった母ではなく、
「何十年も前に亡くなった父」の名前を書かなければなりません。
誰の名義になっている財産を動かすのかを正確に把握し、
その名義人(亡くなった方)の情報を、被相続人欄に記入するということです。
書類の書き方と同じくらい皆様が苦労されるのが、被相続人の戸籍収集です。
銀行や法務局に行くと、必ず「被相続人の戸籍を持ってきてください」と言われます。
この時、役所で現在(死亡時)の戸籍謄本を、1通だけ取得して銀行へ持っていくと、
「これだけでは足りません」と言われてしまいます。
相続手続きにおいて、被相続人の戸籍は、
生まれた日(出生)から亡くなった日(死亡)までが途切れなく記載された、
すべての戸籍(除籍謄本・改製原戸籍)をそろえる必要があるからです。
なぜ、被相続人の戸籍は出生まで遡るのかというと、
過去の別の結婚相手との間に、実の子供(実子)がいないか、
過去に誰かを、自分の子供として養子縁組(養子)していないかを法律上証明し、
他に法定相続人が1人もいないことを、銀行や法務局に納得させる必要があるためです。
なお、被相続人の戸籍をどこまで遡って集めるかについては、
「相続手続きの戸籍収集はどこまで必要?遡る範囲を相続専門の行政書士が解説」で、
具体的な集め方と注意点を解説しています。
この記事のまとめです。
書類には、被相続人の氏名や最後の住所などの情報を正確に記入し、
出生から死亡まで連続した戸籍一式を揃えなければ、
銀行の相続手続きや不動産の名義変更(相続登記)を進めることはできません。
「平日の日中に、役所を回って戸籍を集める時間がない」
「書類に1文字でも不備があって、銀行や法務局からやり直しを命じられた」
「誰が被相続人で、誰が相続人になるのか、相続関係が複雑すぎて分からない」
このようなお悩みを抱えられている場合は、
相続専門の行政書士に、代行依頼して楽に解決することができます。
当サイトでは、北海道から沖縄まで日本全国の「相続手続きに必要な戸籍収集の代行」や、
「相続手続き全般のまるごと代行」を、相続専門の行政書士が過去20年間以上、
【ご来所不要・郵送やメールなど】にて全国対応で代行致しております。
貴重な時間と労力を使い果たしてストレスを抱える前に、
ぜひ当所の代行サービスをご活用ください。
あなたの負担をゼロにし、確実かつスピーディに安心をお届けします。
なお、相続手続きに必要な戸籍の範囲については、
「相続手続きの戸籍収集はどこまで必要?遡る範囲を完全解説」で、
くわしく解説しています。
相続人が兄弟姉妹や甥姪になる場合に、相続手続きに必要な戸籍の範囲については、
「兄弟姉妹・甥姪の相続は過酷!戸籍収集が膨大になる理由と集める範囲を解説」
をご参照下さい。