
国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]

国家資格:行政書士・土地家屋調査士。
専門分野:戸籍・相続人・銀行や不動産など相続手続全般。
職務経歴:開業後20年間、相続に必要な戸籍収集や相続人の調査確定など1000件以上の相続手続きを解決しています。
[行政書士 寺岡孝幸のプロフィール]
「相続人の第一順位って、具体的に誰のこと?」
「亡くなった人の子供は、どんな時でも第一順位になるの?」
「もし子供がすでに亡くなっていたら、孫やひ孫はどうなる?」
「自分が第一順位の相続人であることを証明するには?」
いざ相続が発生したとき、第一順位の相続人についての疑問を、
正確に答えられる方は多くいません。
しかし、もし「第一順位の相続人が誰なのか」の調査や判断を、
一人でも間違えてしまうと、銀行の預金解約や不動産の名義変更など、
すべての相続手続きが完全にストップしてしまうなど、
後から取り返しのつかないトラブルに発展します。
そこでこの記事では、法律の専門用語をできるだけわかりやすく噛み砕き、
図解を交えて「第一順位の相続人」について、相続専門の行政書士が徹底解説いたします。
この記事を3分ほどお読みいただければ、ご自身のケースにおいて、
「第一順位の相続人は誰になるのか」が、迷うことなく正確にわかるようになります。
結論から申し上げますと、第一順位の相続人は「被相続人(亡くなった方)の子」です。
しかし、単に「子」と言っても、実子だけでなく、養子や胎児も含まれます。
また、その子がすでに亡くなっている場合などは、孫が代わりに相続することになります。
つまり、第一順位の相続人は、具体的に以下の4つのパターンのいずれかに該当する人となります。
これは、民法第887条にて明確に定められているルールです。
民法第八百八十七条(子及びその代襲者等の相続権)
被相続人の子は、相続人となる。
引用元: e-Gov法令検索.「民法」
ご自身の状況がどれに当てはまるか、1つ1つ図解を交えて詳しくご説明していきます。
被相続人の実子は、無条件で第一順位の相続人になります。
実子には、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に生まれた「嫡出子(ちゃくしゅつし)」と、
婚姻関係にない男女の間に生まれた「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」の2種類が存在します。


図のように、嫡出子でも非嫡出子でも、
「被相続人の血を引く子」であることに変わりはないため、
どちらも同等に第一順位の相続人となります。
年齢は関係なく、未成年者であっても立派な第一順位の相続人です。
【※父親の相続における重要注意点】
非嫡出子の場合、母親の相続では当然に相続人となりますが、
父親の相続においては「認知」されていることが絶対条件となります。
生前に認知されて戸籍に記載されているか、あるいは遺言による認知が必要です。
戸籍上、正式に養子縁組をしていれば、養子は実子と全く同じ扱いとなり、
第一順位の相続人になります(民法第809条)。
ただし、「普通養子」か「特別養子」かで、実の親側の相続権に大きな違いが出ます。

普通養子の場合(上図3):
養親(育ての親)の相続で第一順位になるのはもちろん、実父母との血縁関係も法的に続くため、
実父母の相続においても第一順位の相続人になります。(つまり両方の相続権を持つことになります)

特別養子の場合(上図4):
家庭裁判所の審判によって成立する特別養子縁組では、
実父母との法的な親族関係が完全に断ち切られます。
そのため、養父母の相続では第一順位となりますが、
実父母の相続では相続人になることができません。
養子縁組の正確な事実は、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本類を取り寄せて確認しなければ判明しません。漏れがあると手続きが無効になるため慎重な調査が必要です。

お腹の中にいる胎児は、まだ生まれていませんが、
相続においては「既に生まれたもの」とみなされ、
無事に生まれれば(死産でなければ)第一順位の相続人として扱われます(民法886条)。
このため、胎児がいる段階では、無事に生まれるまで、
「最終的に相続人が誰になるのか」を確定することができず、
遺産分割協議などの手続きを進めることができません。
また、婚姻関係にない女性のお腹にいる胎児の場合は、遺言による認知等が必要となります。
被相続人の子が、被相続人よりも先に亡くなっていたり、
相続欠格や廃除によって相続権を失っている場合、
その子(被相続人から見た孫)が代わりに相続人となります。
このように、代わりに相続することを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」と呼び、
代わりに相続する孫のことを「代襲者(代襲相続人)」と呼びます。
代襲相続は、被相続人の直系卑属(子、孫、ひ孫…と続く下の世代)に対しては、
無限に認められています。
もし、孫も亡くなっていれば、さらに下の「ひ孫」が再代襲相続人(図7)となります。
原則として子は第一順位ですが、以下の3つのケースに該当すると、
第一順位の相続人ではなくなります。
銀行預金の解約や不動産の名義変更を行う際、
窓口で「私が第一順位の相続人です」と口頭で説明しても手続きは一切進みません。
客観的な公的書類(戸籍謄本など)による厳格な証明が必須となります。
亡くなった方との関係性によって、役所で集めなければならない書類の範囲が変わります。
※戸籍集めは相続手続きにおける最初の難関です。
見本や見方については、「出生から死亡までの戸籍謄本の見本と見方」でくわしく解説しています。
被相続人の配偶者の連れ子は、一緒に暮らしていても被相続人と直接の血縁関係はありません。そのため、戸籍上で正式に養子縁組をしない限り、相続権は一切ありません。
亡くなった方の子の配偶者(長男の妻など)は、
被相続人の義理の子にあたるため血縁関係がありません。
したがって、どんなに献身的に被相続人の介護などをしていたとしても、
第一順位の相続人にはなれず、原則として相続権もありません。
第一順位の相続人(子や孫)が初めから一人もいない場合や、
全員が家庭裁判所で相続放棄をして相続権を失った場合、
相続権は次の順位へスライドします。
具体的には、被相続人の父母や祖父母などの「第二順位の相続人(直系尊属)」に相続権が移ります。
さらに第二順位の相続人も全員亡くなっている場合は、
被相続人の兄弟姉妹などの「第三順位の相続人」へと相続権が移ることになります。
それぞれの順位のくわしい解説は、以下の関連記事リンクからご確認ください。
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